マーケティングとは基本的にポジティブなものです。製品を購入することで避けられるデメリットを伝えるのではなく、その製品がどのように役立つかを伝えることが重要です。
その理由は複数あります。ひとつは、消費者の注意力は限られているため、価値を前面に押し出すことが理にかなっているからです。もうひとつは逆説的ですが、何かを否定すると、その否定された主張がかえって強化されてしまう傾向があるからです。つまり、政治的なデマはどれだけ荒唐無稽であっても打ち消すのが難しく、「そんなことは絶対にしていない!」と強く抗弁する人がかえって怪しく見え、「無害です」と書かれたピーナッツバターを買うのをためらってしまうのです。
では、サイトのセキュリティ、支払い処理、ビジネスの誠実性などに関する消費者の懸念に対して、自社への信頼を損なわないように対処するにはどうすればよいでしょうか? 顧客の信頼を築き、コンバージョンや売上をアップさせるためには、信頼バッジを活用する方法があります。この記事では、その方法を紹介します。
信頼バッジとは?
信頼バッジ(またはトラストバッジ)は、事業者がウェブサイトに表示するデジタルアイコンで、購入リスクが低いことを表明し、理想的には購入行動を促進するものです。信頼バッジを表示することで、顧客に安全でリスクの少ないオンラインショッピング体験を提供していることを示し、安心感を与えることができます。セキュリティ信頼バッジ、支払いバッジ、推薦バッジ、ポリシー特化型バッジなどが人気のタイプです。
信頼バッジを取得するには、まず、認証局(CA: Certification Authority)と呼ばれるウェブサイトの安全性を保証する第三者機関を探して選択します。認証局に登録したら、ウェブサイトを検証し、生成されたバッジコードをウェブサイトのHTMLに追加します。信頼バッジを目立つ場所に表示することで、ウェブサイトのセキュリティと信頼性に対するユーザーの信頼を高めることができます。
信頼バッジを使用すべき理由
信頼バッジは、オンラインショッピングをする顧客からの信頼を築き、売上やコンバージョン率を向上させることができます。その仕組みは以下のとおりです。
- ビジネスへの信頼の向上。信頼バッジは、誤って不安を強めてしまうような言葉は使用せず、Eコマースの顧客の不安を和らげるのに役立ちます。詐欺に遭うことを心配している顧客は、Better Business Bureauのバッジを見て安心するでしょう。データセキュリティを心配している顧客は、セキュリティ信頼バッジを見て安心感を得るはずです。
- コンバージョン率の向上。調査によると、ショッピングカートの約70%が放棄されており、カゴ落ちの17%はオンラインセキュリティに関する懸念が原因です。これらの数字を基にすると、セキュリティの懸念を排除することで、売上アップが期待できます。送料無料や返品無料のバッジは、購入のハードルをさらに下げ、コンバージョン率や売上を向上させる可能性があります。
- ポリシーの明確化。信頼バッジは、利用可能な支払い方法や配送・返品ポリシーなど、重要な購入情報を効率的に伝える手段です。これらのバッジは、オンラインストアのチェックアウトページにすっきりと収まり、長い文章を掲載することなく必要な情報を伝えることがでこます。
一般的な信頼バッジ4タイプ
信頼バッジは数多くあります。ここでは、特に人気のあるタイプと、その配置場所について紹介します。
1. セキュリティ信頼バッジ
ウェブサイトのセキュリティ信頼バッジは、そのオンラインストアからの購入が安全であり、個人データが保護されていることを示すものです。個人情報の盗難やデータ漏洩に関する問題を心配することなく、そのオンラインストアを利用できます。このタイプのバッジは、安全なチェックアウトバッジ、セキュアペイメントバッジ、セキュアチェックアウトバッジなどと呼ばれることもあります。
セキュリティバッジの多くは、サイトがSSL証明書を保有していることを示しており、顧客データを安全に処理するために必要な複雑なウェブセキュリティ対策に準拠していることを意味します。これらのバッジは、SSLバッジまたはSSL信頼バッジとも呼ばれます。
SSLプロトコル(ネットワーク上で安全な通信を提供する広く普及している暗号化プロトコル)を実装しないと、顧客がチェックアウトに進む前に問題が発生する可能性があります。ほとんどのブラウザは、SSL暗号化されていないページにアクセスしないよう警告を表示します。それでも顧客がそのページにアクセスした場合、ブラウザのURLの横に表示される鍵アイコン(暗号化されたウェブサイトの印)は、警告アイコンと「保護されていません」というメッセージに変わります。これは、オンラインストアにとって良い印象を与えません。
セキュアチェックアウトバッジを取得するには、信頼できる認証局(DigiCertやGlobalSignなど)を選び、SSL証明書を購入します。インストールと認証が完了すると、認証局から信頼バッジが発行されます。これをチェックアウトページに目立つように表示することで、重要なコンバージョン段階で顧客にさらなる安心感を与えることができます。
2. 支払いバッジ
利用可能な支払い方法の信頼バッジには2つの機能があります。ひとつは、顧客に利用可能な支払い方法に関する重要な情報を提供すること。そしてもうひとつは、信頼できるブランド名と連携することで、VisaやPayPalのような大手企業からの推奨を効果的に伝えることです。
利用可能な支払い方法のアイコンは、無料の信頼バッジと言えます。決済プロバイダーはサイトの認証によって利益を得るため、通常はこのアセットを無料で提供します。利用可能な支払い方法ごとに、無料の信頼バッジを探しましょう。Visa、Mastercard、American Express、Discover、Google Pay、Apple Pay、PayPalのバッジはどれも人気があります。Shopifyストアを運営している場合、どのクレジットカードアイコンを表示するかを選択できます。
Eコマースサイトでは、通常、チェックアウトページのクレジットカード詳細フォームやその他の支払いフィールドの近くに、利用可能な支払い方法信頼バッジを表示します。
3. 推薦バッジ
推薦バッジは、信頼できる第三者ブランドによって、ビジネスが認められ、承認された証として付与されます。
Google Verified Customer ReviewsバッジやBetter Business Bureau Accredited Businessバッジは、サードパーティによる推薦バッジとして人気の高い2つです。これらのバッジを取得するには、通常、推薦機関に申請し、審査と承認を待つ必要があります。承認されると、ウェブサイトに表示できるアイコンが付与されます。
推薦バッジは、企業の全面的な承認を意味するため、多くの企業はチェックアウトプロセスではなく、ウェブサイトのフッターに配置します。
4. ポリシー特化型バッジ
ポリシー特化型バッジには、送料無料バッジ、返品無料バッジ、返金保証バッジなどがあります。
これらのバッジは、通常、期待通りの機能を発揮します。送料無料の信頼バッジは、支払い情報を入力した後に高額な送料が発生しないことを保証します。返金保証バッジは、購入に満足できなかった場合も損失がほとんどないことを伝えて、低リスクの購入ができることを示します。
このバッジタイプは無料で、他のバッジとは異なり、第三者の検証を必要としません。これは自社について自信をもって主張できる内容です。このバッジの目的は、その主張を補足するための、便利なアイコン表現を提供することにあります。これらのアイコンは、信頼バッジアプリを使って簡単に設置できます。
Eコマースビジネスでは、このタイプのバッジを、チェックアウトページ、会社概要ページ、サイトのフッターに表示することができます。
信頼バッジに関するよくある質問
信頼バッジアイコンとは何ですか?
信頼バッジアイコンは、ウェブサイトのセキュリティとビジネスの評判を検証するウェブサイトのグラフィックです。また、利用可能な支払い方法や返金保証など、特定のポリシーやサービスを宣伝することもあります。
すべての信頼バッジは、信頼構築において同じ効果がありますか?
いいえ。信頼バッジはブランド認知度に依存します。一般的に、信頼バッジが広く認識されているほど、顧客の信頼を高める効果が大きくなります。
最大の効果を得るには、信頼バッジはウェブサイトのどこに配置すべきですか?
信頼バッジの配置はバッジの種類によりますが、オンラインビジネスでは通常、ビジネスの全体的な評判を検証する信頼バッジをウェブサイトのフッターに配置します。利用できる支払い方法のバッジなど、チェックアウトや購入に関する具体的な懸念事項に対応する信頼バッジは、Eコマースストアのチェックアウトページに配置するのが一般的です。





