2024年のブラックフライデーとサイバーマンデー(BFCM)の期間中、Shopifyを利用する事業者は、過去最高となる115億ドルの売り上げを達成しました。
日本でもブラックフライデーやサイバーマンデーの文化は徐々に浸透してきており、Shopify事業者からの購入者数は前年比54%増と大きく伸びています。
Shopifyには、繁忙期を無事に乗り切るためのアプリがたくさん用意されています。準備を万全にして臨めば、年末商戦に向けてスムーズなスタートを切ることができ、セールのチャンスを最大限に活かすことができます。
本記事では、ブラックフライデー向けセールの期間中に役立つShopifyアプリを、用途別に20個紹介します。
ECサイトを整える
1. Shopify Search & Discovery

Shopify Search & Discoveryは、ストア内検索や絞り込みを便利にして、顧客が欲しい商品に早くたどり着けるようにしてくれるShopify公式の無料アプリです。価格、サイズ、色などの条件を追加して、商品を効率的に絞り込めます。
BFCM期間中は、「セール対象商品」「30%オフ」「50%オフ」「在庫あり」「新着」といった分類を設定すると効果的です。
また、商品ページに関連商品をおすすめ表示できるため、クロスセルのきっかけを作ることもできます。
2. Essential Countdown Timer Bar

Essential Countdown Timer Barは、Shopifyストアにカウントダウンタイマーを設置できるアプリです。商品やページごとに複数のタイマーを設定でき、予約も可能です。日替わりセールやタイムセールにも柔軟に対応できます。
BFCMセール中、サイト上部や商品ページに「残り〇時間」と表示すると、迷っている顧客の購入を後押しできます。
3. RuffRuff

RuffRuffは、在庫切れや発売前の商品を簡単に予約できるようにするアプリです。バッジ表示やカウントダウンタイマーを使って、予約販売の商品などの情報を分かりやすく見せられます。
また、会員限定販売、先行割引、数量限定などの購入条件を設定し、BFCM前に顧客に告知できます。これにより、顧客の期待を高め、セールを盛り上げ、販売のチャンスを逃しません。
4. Gojiberry

Gojiberryは、購入前や購入後のアンケートやクイズをECストアに設置して、顧客の意見や好みを収集できるツールです。BFCMセールでは、「あなたにぴったりの商品は?」などの診断クイズを出すのがおすすめです。回答結果に応じておすすめ商品を表示したり、特定の回答をした顧客にだけ限定クーポンを送ったりすることができます。
ディスカウントの仕組みをつくる
5. Bulk Discount Code Bot

Bulk Discount Code Botは、クーポンコードをまとめて作成・管理できるツールです。セール用のコードをメールやSNSで配るときに便利です。コードはひとつひとつ違うものにできるので、使い回しや不正利用を防げます。また、どのコードがどれだけ売り上げにつながったか、平均注文額がどう変化したかなどのデータも確認できます。
6. パンパーバンドルの数量割引

パンパーバンドルの数量割引は、ストア内でまとめ買いや数量割引などのディスカウントを簡単に設定できるツールです。たとえば「2点購入で5%オフ」「3点セットで20%オフ」といった割引を、商品やカテゴリごとに付けることができます。BFCMで人気商品をまとめてセットにしたり、セール対象商品同士を組み合わせてお得感を演出したりするのにぴったりです。購入点数が増えると、平均注文額アップにもつながります。
7. Hextom: Free Shipping Bar

〇円以上で送料無料という設定をしたいときに役立つのが、Hextom: Free Shipping Barです。サイト上部のバーや商品ページ、カートなどに「送料無料まであと〇〇円」と表示できます。また、顧客が商品をカートに追加するたびに、金額が自動で更新されます。国ごとに別の設定にすることも可能です。
「あと少しで送料無料」と気づいた顧客は、追加で商品を購入する傾向にあるので、平均注文額アップにもつながります。
顧客とコミュニケーションする
8. Shopifyメール

ShopifyメールはShopify公式のメールマーケティングアプリです。セールのお知らせや新商品紹介のテンプレートが豊富にあり、ストアのロゴやブランドカラーも反映できます。つまり、誰でも簡単にブランドにあったメールを作成できます。また、カゴ落ちや新規登録など、顧客の行動にあわせて自動でメールを送ることができます。BFCMのように顧客との接点が増える時期に特に効果的です。開封率やクリック率、売り上げなどのレポートも確認できるため、効果を確かめながら改善でき、売上アップにつながる便利なアプリです。
9. Shopify Inbox

Shopify Inboxは、ストアを訪れた顧客とチャットができるShopify公式アプリです。顧客が商品ページを見ているか、カートに商品を入れているかといった情報がチャット画面に表示されます。それにあわせて、リアルタイムで顧客に合った商品をおすすめしたり、割引コードを送ったりできます。また、自動のウェルカムメッセージ、FAQ機能、即答機能も備わっているため、顧客が疑問を持ったときに、すぐ対応できるのがポイントです。BFCMセールのような競争が激しい時期には、購入を迷っている顧客の不安を解消するライブチャットサポートが大きな強みになります。
10. CRM PLUS on LINE

CRM PLUS on LINEは、ストアとLINE公式アカウントをつなぎ、メッセージ配信や顧客管理を自動化できるアプリです。購入履歴にあわせて、セールのお知らせやカゴ落ちのリマインダー、再入荷通知などをLINEで送れます。
メールだけでは顧客に届かないこともありますが、LINEは開封率が高く、リアルタイムでセール情報やクーポンを届けられます。さらに、購入完了ページやマイページにLINE連携を促すブロックを設置できるため、セール期間中に新規顧客をLINE会員へとスムーズにつなげられます。
11. Stoq: Back In Stock, PreOrder

Stoq: Back In Stock, PreOrderは、在庫切れ商品の再入荷を顧客に自動で知らせるアプリです。顧客は商品ページから「再入荷通知」を登録できます。在庫が戻ると、SMSやメール、プッシュ通知でお知らせが届きます。
BFCMセールのように人気商品がすぐに売り切れてしまう時期でも、在庫が復活したらすぐ購入ページに誘導できます。在庫を補充した後のセール後半戦で売り上げを伸ばすのに役立つアプリです。
SNSと連携する
12. TikTok

Shopify公式のTikTok(ティックトック)アプリは、TikTok広告を作成したり、ストアの商品をTikTokと連携したりできるアプリです。TikTokからストアへ誘導して、直接購入につなげられます。商品情報や在庫は自動で同期されるため、TikTokで見た商品をそのまま購入ページへスムーズに誘導できます。TikTok Shop(ティックトックショップ)と連携すれば、アプリ内で購入を完結させることもできるため、セール時の売上アップに効果的です。
若い世代はTikTokで商品を探すことが多く、インフルエンサーのおすすめや友人のレビューを見て購買を決めるユーザーも多くいます。若者向けの商品を扱っているストアには、特にTikTokの活用がおすすめです。
13. Juniper ‑ TikTok Feed

Juniper ‑ TikTok Feedを使うと、ストアにピックアップしてカスタムしたTikTok動画をフィード(一覧)として表示できます。TikTokで人気のトレンドやクリエイターを、ストアでそのまま紹介できるのが便利です。BFCM期間中は、セール商品の開封動画や、レビュー動画、インフルエンサーとのコラボ動画などをこのフィードで目立たせると効果的です。
14. Instafeed

Instafeedは、写真、リール、動画投稿といったInstagram(インスタグラム)のコンテンツをストアに表示できるアプリです。投稿から直接商品ページへ誘導できるので、購入までの導線を自然につくれます。
人気商品が映っているInstagram投稿をInstafeedで目立たせれば、顧客は「他の人も買っている」という安心感を持ち、購入につながりやすくなります。
在庫管理・発送・返品を効率化する
15. 低在庫アラート & 在庫予測

低在庫アラート & 在庫予測は、商品在庫が少なくなったときに自動で知らせてくれるアプリです。「この数以下になったらアラートを出す」といった設定ができるほか、販売スピードから在庫の補充タイミングも予測してくれます。通知はメールやSlack(スラック)などで受け取れるため、在庫切れを放置せず迅速に対応できます。
セール期間は、人気商品の欠品を防ぎ、セール後半まで安定して販売を続けられるのが大きな強みです。また、過剰在庫を抱えるリスクも減らせるため、効率的な在庫管理と売上維持の両立に役立ちます。
16. Ship&co

Ship&co はShopifyストアの発送業務をスムーズにするアプリです。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、FedEx(フェデックス)、UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)、DHL(ディーエイチエル)など国内外の配送会社に対応しており、ラベル発行・インボイス作成・注文追跡などを一つの管理画面でまとめて行えます。海外発送にも便利です。注文情報や配送状況はリアルタイムで同期され、出荷ラベルを簡単に印刷でき、追跡番号もShopifyの注文データに自動で反映されます。
17. 17TRACK

17TRACKは、注文が発送されたあと、顧客に配送状況をリアルタイムで知らせ、注文追跡を自動化できるアプリです。ブランドロゴやカラーをカスタマイズして、ブランドのテイストにあわせた追跡ページを作成することも可能です。返品や交換の管理機能も備えているため、顧客が注文後も安心できる流れを作れるのが特徴です。
18. Yanet: Returns and Exchanges

Yanetは、返品・交換のプロセスをスムーズにするアプリです。
BFCMセール中は、注文が増えるため、返品や交換も増える可能性があります。そのため、返品処理や商品交換の流れを効率化しておくことも重要です。
Yanetを使うと、事業者は、返品・交換ポリシーを商品や状況に応じてカスタマイズし、返品・交換申請用のフォームをサイトに埋め込むことができます。各ステップでメールを送り、顧客に進捗を伝えられるため、顧客へのストレスを減らすことができます。
実店舗との連携を強化する
19. テワタシ

テワタシは、日本の実店舗や配送対応エリアを持つショップ向けのアプリです。顧客がオンライン注文をする際に 店舗での受け取りやローカルデリバリーを選択できるよう設定できます。ストアのヘッダー部分に設置された「受取店検索」ボタンで、郵便番号・住所・位置情報をいれると、自分の近くの店舗・配達可能地域を事前に確認できます。カート画面では、受け渡す店舗・受け取り日時・受取方法などを選べるオプションがあり、受け渡し準備時間も設定できるため、スムーズに商品を受け渡しできます。
20. Meety

Meetyは、イベント、レッスン、美容室、エステ、占いなど、時間枠でサービスを提供する事業者向けのアプリです。サイトに予約受付用のカレンダーを追加できます。ECストアのセールとあわせて、イベントやポップアップストアなどでプロモーションを行いたいときにも便利です。
ストアに「予約する時間を選ぶ」ボタンを追加でき、Shopify POSとも連携できます。対面・オンラインどちらの予約にも対応しています。
まとめ
ブラックフライデーとサイバーマンデーは、1年を通して特に注文が集中する大きなチャンスです。準備不足だと在庫切れや配送遅延、顧客対応の混乱などで売り上げを逃してしまうこともあります。Shopifyアプリを上手に活用し、こうしたリスクを減らしながら売上アップにつなげることが大切です。
年末商戦が本格的に始まる前に、自分のストアに合うアプリを導入しておきましょう。備えがあるかどうかで、売り上げも顧客体験も大きく変わります。
よくある質問
ブラックフライデーのセールはいつから始めるべき?
ブラックフライデーの6〜8週間前、つまり10月からキャンペーンを始めた事業者が、最も成果を出しているというデータがあります。
ブラックフライデーの準備はいつから始めるべき?
前年のセールの振り返りや、現在のECサイトの整備など、準備は早いほど安心です。遅くても3ヶ月前には必要なアプリの導入、在庫の計画、広告戦略の作成などを始め、セール本番に備えましょう。
BFCMセール期間中の割引率の目安は?
BFCMセールの割引率の目安は31〜51%です。特に35%程度が期待されています。
文:Taeko Adachi イラスト:Alice Mollon





