SMSマーケティングは、メールマーケティングやSNSマーケティングと並び販売促進に有効なECサイトの集客方法の一つです。SMSマーケティングを使えば、メールよりもさらに直接的に、消費者やユーザーへリーチできます。
この記事では、効果的にSMSマーケティングを実施するための基礎知識とともに、Shopifyと連携可能なSMSの自動送信アプリなどをご紹介します。
SMSマーケティングとは?

SMSマーケティングとは、企業が顧客にテキストメッセージ(SMS)を送り、商品やサービスの案内、キャンペーン情報などを届けるマーケティング手法です。メッセージアプリやSNSを経由せず、携帯電話番号宛に送信されます。
SMSマーケティングは古い手法と思われがちですが、開封率・反応率の高さから、改めて注目を集めています。
SMSマーケティングのメリット

到達率が高い
SMSは、メールやSNSに比べて受信ボックスに届く割合(到達率)が高いのが特徴です。電話番号さえあれば、全ての携帯電話で受信できます。また、迷惑メールに振り分けられにくく、電話番号を提供した相手から届いたメッセージとして、抵抗なく開封してもらえます。
効率がいい
SMSマーケティングは、少額の送信コストで高い成果が期待できます。1通あたり8〜15円の費用はかかりますが、開封率やコンバージョン率(CVR)が高いため、最終的な費用対効果は高くなります。また、SMSは短いメッセージ形式のため、作成や送信も手軽です。
幅広い世代にリーチできる
SMSはスマートフォンだけでなくガラケーにも対応しているため、メールやLINEなどのアプリを使わないユーザー層にもアプローチ可能です。
すぐに閲覧されやすい
あとでまとめて確認する人が多いメールやSNSに比べ、SMSは通知をオフにする人が少なく、受信後すぐに読まれる可能性が高い媒体です。そのため、セールやキャンペーンなどのいま伝えたい情報をタイムリーに届けられます。
SMSマーケティングの活用事例

キャンペーンやセールのお知らせ
高い開封率が期待できるSMSは、セールやキャンペーンの告知手段としてよく活用されます。ただし、頻度が多すぎたり魅力に欠けるクーポンを多用したりするのは逆効果です。顧客の関心に沿ったキャンペーン案内やクーポンを送るようにしましょう。顧客の求めるタイミングで的確に情報を届けることで、特別感を演出して顧客満足度の向上につなげられます。
テンプレート
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新商品発売や入荷のお知らせ
人気商品の再入荷や数量限定商品の告知は購買意欲を刺激し、予約販売開始のお知らせは売り上げ最大化につながります。
お知らせでSMSを活用する際は、発売日直前や再入荷直後などタイミングを意識することが重要です。また、「数量限定」「先着順」「◯日まで」といった表現で緊急性を演出することで、見逃したくないという心理的効果を与えて店舗やECサイトに集客できます。
テンプレート
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顧客のフォロー
SMSは購入後のサンキューメッセージ、契約更新のリマインド、カゴ落ちのフォローなど、幅広い場面で役立ちます。適切なタイミングで送ることで、顧客体験の向上や機会損失の防止につながります。
リマインダーなど期限のある行動を促すメッセージの場合は、余裕のあるスケジュールで送信しましょう。通知が直前すぎると顧客の負担となり、クレームなどネガティブな反応につながってしまう可能性があります。
また、日時・場所・必要な手続きなど顧客がすぐに理解できる情報を盛り込むのが効果的です。
テンプレート
- 電話が通じなかった場合:【店舗名】先ほどお電話しましたがつながりませんでした。ご確認いただきたい内容がありますので、折り返しご連絡いただけますと幸いです。[受付時間・連絡先]
- 支払いの請求・催促:【店舗名】お支払い期限が近づいております。◯月◯日までにお手続きください。未払いの場合はご利用を停止させていただく可能性があります。お支払いはこちら[URL]
- カゴ落ち:【店舗名】カートに商品が残っています!今から24時間有効な10%OFFクーポン【CART10】をプレゼント。ぜひご利用ください[URL]
発送・配送通知
ECサイトでは、発送完了のお知らせや配送状況の案内もSMSで送るケースが増えています。到達率の高いSMSでこれらの通知を行うことで、顧客が確実に必要な情報を知ることができ、安心感につながります。ショップにとっても、問い合わせ件数の削減に効果的です。
活用のポイントとして、発送完了時に即座に送ることで、顧客は到着までの流れを把握しやすくなります。追跡番号や到着予定日などの基本情報以外に、返品ポリシーも明記しておくと良いでしょう。
テンプレート
- 発送完了:【店舗名】ご注文ありがとうございます。商品を本日発送いたしました。追跡番号:123456 [URL]
- 配送予定日:【店舗名】ご注文商品は10月15日にお届け予定です。ご都合が悪い場合は配送業者に直接ご連絡ください。追跡はこちら [URL]
- 受け取りリマインダー:【店舗名】商品が配送業者の営業所に到着しました。10月20日までにお受け取りください。詳細 [URL]
ShopifyのSMSマーケティングアプリ5選

Sendvio
Sendvio(センドヴィオ)は、Shopify専用に開発されたオールインワンのマーケティングアプリです。メールとSMSの自動配信に加え、ポップアップ、レビューなどを1つのアプリで管理できます。カゴ落ち回収や再入荷通知、離脱顧客への再アプローチなど、リターゲティングに必要な機能を網羅しています。
- 複数のアプリを使い分ける必要がなく、運用コストを削減できる。
- ウェルカムメール、サンクスメッセージなど多様なシナリオを設定できる。
- 日本語を含む幅広い言語に対応し、海外展開にも活用しやすい。
Notify! Back in Stock|PreOrder
Notify!(ノーティファイ)は在庫切れ商品の再入荷や新商品の予約販売を、SMSやメールで顧客に自動通知できるアプリです。販売機会の損失を防ぎ、リピーター獲得にもつながります。
- 再入荷通知や予約販売の自動配信が可能。
- SMSとメールの両方を利用でき、顧客が受け取りやすい方法を選択可能。
- Shopifyストアとシームレスに連携し、管理画面から簡単に設定できる。
Stok: Back In Stock Alert
Stok(ストック)は、在庫切れ商品の再入荷や値下げを自動で通知できるアプリです。商品ページに「再入荷通知」ボタンを設置し、顧客を待機リストに登録できるため、売り逃しを防ぎつつリピーター獲得につなげられます。
- SMS、メール、WhatsAppで顧客に即時アラートを送信できる。
- 通知テンプレート、ウィジェット、ポップアップなどをブランドに合わせて自由に調整できる。
- 待機リスト数や通知配信の成果をレポートで確認でき、売り上げ回復に役立てられる。
プライシー再入荷通知
プライシー再入荷通知は、日本発のShopifyアプリで、商品ページに「再入荷通知ボタン」を設置して、登録者に自動でSMSを送信できます。さらに、SMSでの通知開封率は90%以上と高く、販売機会を逃さずに顧客へアプローチできます。日本語サポートにも対応しており、国内EC事業者にとって安心して導入できるツールです。
- 通知ボタンやテンプレートを自由に調整可能でブランドのデザインに合わせられる。
- SMSを活用した再入荷通知で、販売機会を最大限確保できる。
- 国内開発ならではの迅速・丁寧な対応で、導入や運用を安心して任せられる。
SMSマーケティングで気をつけたいポイント

特定電子メール法を守る
特定電子メール法とは、広告宣伝メールの送信方法や表示義務を定めた法律です。SMSもその対象に含まれるため、以下のルールを守る必要があります。
事前承諾の取得
まず事前承諾(オプトイン)の取得が必須です。広告宣伝メールを送る場合、受信者から「広告宣伝を送って良い」という承諾をあらかじめ得ておかなければなりません。この仕組みはオプトイン規制と呼ばれ、同意を証する記録の保存(例:会員登録時の「広告を送信することに同意する」にチェックがある画面の保存など)も義務付けられています。日本国内で受信される広告メールは、たとえ海外から送信された場合でも同法の対象になります。
なお、例外として以下のケースでは事前承諾が不要です。
- 取引関係のある相手、または名刺など書面で連絡先を受け取った相手に送信する場合
- 契約や料金に関する通知で、付随的に広告宣伝を含む場合
- ホームページ等でメールアドレスを公表している相手(個人の場合は営業を営む個人に限る)に送信する場合
表示義務
広告宣伝メールには必ず以下を記載する必要があります。
- 送信者の氏名または名称
- 送信者の住所
- 問い合わせ先(電話番号、メールアドレス、URLなど)
- 受信拒否ができる旨と、その方法(専用メールアドレスやURLなど)
顧客データに基づいて配信する
SMSは従量課金制をとるサービスが多く、送信数が増えるほどコストも膨らんでしまうため、ターゲットオーディエンスのデータをもとに内容を調整し、セグメント配信することが大切です。適切にパーソナライズされたメッセージはコンバージョン率を高めますが、顧客が求めていない情報を一方的に送り続けると逆効果になってしまいます。
メッセージは簡潔にする
SMSは、短く簡潔にまとまったメッセージが好まれます。長文になると読み手が途中で離脱してしまう可能性が高く、さらに最大670文字(全角)という文字数制限によりメッセージが分割される恐れもあります。伝えるべき内容に優先順位をつけ、要点を明確にしましょう。
また、URLは社名やサービス名が入った分かりやすいものを利用することが望ましく、短縮URLは不審に思われやすいため避けるのが安全です。
効果測定と改善を行う
SMSマーケティングで重要な要素の一つに、分析と改善があります。多くのSMS配信アプリには分析機能が備わっており、開封率やクリック率を確認することで有効なメッセージの傾向を把握できます。こうしたデータをもとに改善を繰り返すことで、SMSからのコンバージョン率や売り上げを着実に高めていくことができます。
まとめ
SMSマーケティングは顧客に直接届きやすいダイレクトマーケティングの一つとして注目を集めています。専用アプリが不要、短いメッセージに特化、到達率や開封率が高い、リアルタイムで閲覧されやすいといった特徴を活かせば、効率的にECサイトへの集客やブランド認知度の拡大につなげられます。
さらに、ShopifyのSMSマーケティングアプリを活用すれば、配信の自動化やデータ収集、分析機能による改善が可能です。購入後フォローやカゴ落ち対策などをSMSで行うことで、リターゲティング施策としても有効に機能します。
Shopifyには他にも多くの無料アプリや集客ツールが揃っています。ぜひSMSマーケティングとあわせて活用し、ビジネスの成長を加速させましょう。
SMSマーケティングに関するよくある質問
SMSマーケティングとは?
SMSマーケティングとは、携帯電話番号を持つ顧客に対して、テキストメッセージで商品やサービスの情報を届けるマーケティング手法です。セールやキャンペーンの告知、再入荷や予約開始のお知らせ、さらにはリマインダー通知やアフターフォローなど幅広い用途で活用されています。
SMSマーケティングのメリットは?
- 到達率が高い:携帯電話番号さえあれば受信でき、迷惑メールに振り分けられにくい。
- コスパが良い:送信コストはかかるものの、開封率や反応率が高いため費用対効果に優れる。
- 幅広い世代にアプローチできる:スマートフォンだけでなくガラケーでも受信可能。
- すぐに閲覧してもらえる:通知をオフにしている人が少なく、即時性が高い。
SMSマーケティングのデメリットは?
- 文字数制限がある:長文が送れず、情報を簡潔にまとめる必要がある。
- 送信コストがかかる:従量課金制のため、送信数が増えると費用も膨らむ。
- 事前承諾が必須:特定電子メール法により、受信者からオプトインを得なければ送信できない。
- 不快感を与えるリスクがある:配信頻度や内容が適切でないと、スパムと受け取られやすい。
SMSの文字制限は?
キャリアや機種によって異なる場合もありますが、一般的にはスマートフォン向けでは全角670文字(半角英数字1530文字)、ガラケー向けでは全角70文字までとされています。
SMSマーケティングの相場は?
SMSマーケティングの相場は、1通あたりおよそ8〜15円です。
ShopifyでSMSマーケティングをする方法は?
ShopifyでSMSマーケティングを行うには、標準搭載のSMS通知機能を利用するか、専用のSMSマーケティングアプリをインストールする方法があります。アプリには無料で使えるものから有料のものまであり、提供される機能もさまざまです。無料体験期間が用意されているものもあります。
文:Hisato Zukeran





