ウェブサイトやECサイト運営者にとって、検索エンジンからサイトを訪れる人を増やすことは重要です。有料広告等を通さずに検索結果から訪れる訪問者はオーガニックトラフィックと呼ばれ、その数を増やすことが効率的な集客やブランドの認知度向上に効果的です。
有料広告によるトラフィック増加は一時的な効果が得られるものの、長期的な集客を狙う場合には、SEO対策によるオーガニックトラフィックを増やす戦略が欠かせません。この記事では、無料で使用できるSEOツールを一覧でまとめました。無料のキーワードツールや競合サイトの分析ツールまで、幅広く紹介していますので参考にしてください。
キーワードツール
SEO対策を行う際には、ツールを使ったキーワード選定を行います。ターゲット層が検索するキーワードを知るだけでなく、競合他社が使用しているキーワードは何かを調査したり、複数の単語を組み合わせて具体性を高めたロングテールキーワードに狙いを定めることで、高いコンバージョン率を狙ったりすることができるでしょう。
1. Googleキーワードプランナー

Google(グーグル)キーワードプランナーは、Google広告のサービスの一つとして提供されているキーワードツールです。利用するには、Google広告のアカウント登録・ログインが必要となります。
調べたいキーワードの月間検索ボリュームや3か月間の推移、前年比の推移、競合性の高さなど使用するキーワードを選定する上で必要となるデータを取得できるほか、関連するキーワード一覧をダウンロードすることも可能です。
料金:無料 ※Google広告への出稿が必要
2. Googleトレンド

GoogleトレンドはGoogle社が提供する無料ツールで、Google検索で人気を得ているキーワードをグラフで確認できるツールです。ニーズが高い商品を調査したり、関連するトピックやキーワードを調べる事も可能なため、ECサイトで取り扱う商品を検討したり、ヒット商品予測を立てる際にも役立ちます。
料金:無料
3. ラッコキーワード

ラッコキーワードは、無料で使用できるキーワード分析ツールです。検索需要のあるサジェストキーワードをGoogle、YouTube(ユーチューブ)、Amazon(アマゾン)、楽天などのプラットフォームごとに知ることができます。さらに、見出し抽出機能を使って競合他社のコンテンツを分析したり、コンテンツ作成補助機能を活用して記事のタイトルや見出し、本文をAIで生成することも可能です。
料金:無料 ※有料プランは月額660円(税込)~
4. ruri-co(ルリコ)

ruri-coは、キーワードの検索ボリュームや順位状況とともに、類似率の高いキーワードを知ることのできるツールです。例えば、「渋谷 ランチ」で検索上位を獲得しているサイトは、「ランチ 休日 ランキング」といったワードでも上位表示されていることがわかります。
こうした類似率の高いキーワードを知ることで、ユーザーのニーズをより具体的にとらえることができます。また、同ツールは登録やログインすることなく使用できるという特徴を持ちます。
料金:無料
5. Ubersuggest(ウーバーサジェスト)

Ubersuggestは、キーワード選定に必要となる検索ボリュームや検索需要の推移、サジェストキーワードの抽出ができる無料ツールです。ログインせずに使用できる機能もありますが、無料ログインすることでより多くの機能が使用できます。
無料版では1日に3回まで無料検索ができ、指定したサイトのトラフィック数やドメインオーソリティのスコア、被リンク数、キーワードのボリュームや流入見込みまでの情報が確認ができます。
料金:無料 ※有料プランは月額2,999円~、無料お試し期間あり
被リンクチェックツール
他サイトから自社サイトへのリンクが設置されることを被リンク(バックリンク)と呼び、良質な被リンクが多く得られると検索上位に表示されやすくなります。後述するドメインパワーにも直結することから、より多くの被リンク獲得に向けて対策を行う必要があります。ただし、スパムサイトや関連性のないサイトからの被リンクは不自然であるとみなされ、逆にサイトの評価を下げたり、Googleからペナルティを受けたりする可能性があります。
6. Google Search Console(グーグルサーチコンソール)

Google Search Consoleは、Googleアカウントがあれば無料で利用できるツールです。Google検索上でのサイトのパフォーマンスを知ることができ、どのサイトからリンクがされているのかがわかります。訪問者がサイトを訪れる前に使用した具体的な検索キーワードやGoogle検索からのクリック数やクリック率などのデータも取得できます。さらに、ページエクスペリエンスでは、改善が必要なページがあると判断されたページを指摘してくれるため、サイト上の問題の早期発見にもつながります。
料金:無料
7. SEO SpyGlass(SEOスパイグラス)

SEO SpyGlassは、ログインすることで無料で被リンク数や被リンク元をチェックできるツールです。検索回数は無制限で、自サイトだけでなく競合サイトの被リンク数や被リンク元も調べることができます。オンラインで検索することもできますが、ツールをダウンロードして使用することも可能です。
料金:無料
8. ahrefs(エイチレフス)の被リンクチェッカー

ahrefs(エイチレフス)の被リンクチェッカーは、被リンク数やリンクしているウェブサイト数を調べられるだけでなく、無料版でも被リンク元サイトの一部リストを見ることができます。SEO解析ツール「ahrefs」の無料ツールの一つで、より詳細なデータや分析を見たい場合には、有料版を利用する必要があります。
料金:無料 ※SEO分析ツールのahrefsは月額4,460円~
9. SEOptimer

SEOptimerのバックリンクチェッカーは、自社サイトのURLを検索することで被リンク数や被リンク元を確認できます。自社だけでなく競合サイトの被リンクを調べることもでき、ドメインパワーなどの情報も取得できます。
料金:無料 ※有料プラン月額39ドル~
検索順位チェックツール
検索順位チェックツールを使うと、キーワードを検索した際に、自社サイトや競合サイトが何位に表示されるかを知ることができます。
10. SEO検索順位チェッカー

SEO検索順位チェッカーは、オルグロー株式会社が提供する無料ツールです。自社サイトや競合他社サイトのGoogleとYahoo! JAPAN(ヤフージャパン)での検索順位を気軽に調べられます。キーワードを最大5つまで同時に計測することができるため、自社サイトのポジションを知りたいときに活用できます。
料金:無料
11. ohotuku.jp

ohotuku.jpは、Yahoo! JAPANの検索上位10位まで、Googleの検索上位100位までの順位を調べられる無料ツールです。一度に最大3つのキーワードを同時に調べられます。調べる方法は簡単で、URL欄には調べたいサイトのURLを入力し、キーワードを各検索窓に入力するだけで順位をチェックできます。
料金:無料
ドメインパワーチェックツール
検索エンジンからの信頼度を意味するドメインパワーは、検索上位に表示されるかどうかに影響を与える要素の一つです。ドメインパワーが低いままでは、キーワード選定等の施策が適切でも効果が出ない可能性があります。ドメインパワーを向上させるには質の良いコンテンツを作ったり、被リンクを獲得したりする必要があり、地道な努力と時間がかかることが予想されます。
12. ahrefsのウェブサイトオーソリティチェッカー

ahrefsのウェブサイトオーソリティチェッカーは、サイトの信頼性を示す指標の一つであるドメインオーソリティをチェックできるツールです。被リンク数やリンクするウェブサイト数などを基準に、ドメインの評価値を算出できます。
料金:無料 ※SEO分析ツールのahrefsは月額4,460円~
13. ドメパ!!

ドメパ!!は、SEOコンサルタントが作った無料のドメインパワーチェックツールです。ツールを利用するには、ツール作者である柏崎剛氏のX(エックス)またはBluesky(ブルースカイ)アカウントで毎週火曜日17時に公開されるパスワードを入力する必要があります。
ドメイン年齢やトップレベルドメイン属性などのスコアだけでなく、被リンクやソーシャルスコア、サイテーション(引用)スコアも計測できるという特徴を持ちます。また、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取った、EEATと呼ばれるGoogleの評価基準を元にしたスコアも計測できます。結果に基づいたワンポイントアドバイスも受けられるため、具体的な戦略を立てる際の参考にもなります。
料金:無料
14. パワーランクチェックツール

パワーランクチェックツールは、ドメインパワーを100点満点の独自指標で算出できる無料ツールです。ゲストユーザーは1日3回まで、無料で会員登録すると1日10回まで利用ができます。
料金:無料
アクセス解析ツール
ウェブサイト訪問者がサイト上で行う行動に関するデータを集め、分析することをアクセス解析と呼びます。アクセス解析を行うことで、訪問者の流入経路はどこか、どのような年代や性別、興味関心を持つ人が訪れているのか、どのページに長く滞在しているかなどのデータを集め、分析することができます。サイトの現状を知ることができるだけでなく、マーケティング戦略やSEO対策の効果測定、今後の改善点の洗い出しと戦略の立て直しにも役立ちます。
15. Googleアナリティクス

Googleアナリティクスは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。自社サイトのページビューやセッション数、アクティブユーザー数、新規ユーザー数など幅広い解析データを取得できます。ページへの滞在時間や閲覧数の多いページ、新規訪問者とリピーターの数など、マーケティングから商品選びに至るまでのさまざまな戦略を立てる上で必要となる情報が集約されています。そのため、ウェブサイトやECサイトを運営する上では欠かせない無料ツールのひとつとなっています。
料金:無料
16. Webmaster Tools(ウェブマスターツール)

Microsoft Bing(マイクロソフト・ビング)のWebmaster Toolsは、被リンクの分析からキーワードリサーチ、サイトスキャンなどの機能をサインインするだけで利用できます。
検索結果のクリック数や表示回数、クリック率、掲載順位と言ったパフォーマンスを確認できるため、サイトの改善点を洗い出し、対策を立てる際にも活用できます。また、URL検査機能を使えば、SEOに関する問題があるページの特定と修正方法を確認できます。
料金:無料
17. Lynx(リンクス)無料SEOツール

Lynx(リンクス)の無料SEOツールは、被リンクや検索順位分析、競合サイト分析、キーワード分析など幅広いデータを取得できる無料ツールです。
調べたい項目ごとにURLを入力し調べる必要がありますが、サイト改善に役立つ内部・外部リンク分析やキーワード出現率分析を活用することで、コンテンツをより良いものへと改善することができるでしょう。また、ドメインオーソリティやページオーソリティについても分析できるため、無料で充実したデータを取得できるツールと言えます。
料金:無料
18. similarweb(シミラーウェブ)

similarwebは、自社サイトや競合他社のデータを収集・分析ができるアクセス解析ツールです。競合他社サイトの訪問者数や上位検索キーワードといったデータが集められるため、競合調査やマーケティング戦略の立案にも役立ちます。無料版では過去3か月のデータのみ取得できますが、有料版では最大で過去37か月までさかのぼって分析することが可能です。
料金:無料 ※有料プランは月額199ドル~
コンテンツチェックツール
SEOコンテンツチェックツールとは、コンテンツがGoogleなどの検索エンジンから高評価を受けられるかどうかをチェックするためのものです。SEOに悪影響を及ぼすコピペがないか、タイトルやメタディスクリプションが設定されているかを確認できます。
19. CopyContentDetector(コピーコンテントデテクター)

無料のコピペチェックツールのCopyContentDetectorは、文章を貼り付けてチェックボタンを押すだけで、4000字までの文章を回数無制限でチェックできます。SEOコピーライティングを行う上で、コピペされたコンテンツがある場合、検索上位に表示されにくいという特徴があります。これは、Googleのアルゴリズムにおいて、重複したコンテンツを2つ以上表示しないというルールがあるためです。また、コピペされた文章を使用すると、著作権侵害といった法律違反を犯す可能性があり、さらにはユーザーや顧客からの信頼を失うことにもつながります。そのため、参考文献や資料からの引用などの場合を除き、コピペされたコンテンツを使わないためにも無料チェックツールを活用しましょう。
料金:無料
20. コンテンツSEOツール高評価

高評価は、ウェブサイトの内部SEO対策を評価し数値化してくれる無料ツールです。SEO対策のコツとして、タイトルタグやメタディスクリプション、メタキーワードなどの設定がされているか、画像代替テキストが漏れなく入力されているかといったポイントがあります。それらを一度に確認でき、改善すべき点はないかを知ることで改善につなげられます。
料金:無料
テクニカルSEOツール
テクニカルSEOとは、検索エンジンが正しくサイトを評価し、より良い評価をして貰うための技術的な施策のことを指します。具体的には、ページ表示速度の高速化やモバイルフレンドリー対応、ディスクリプションの最適化などの項目が当てはまります。
21. PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)

PageSpeed Insightsは、サイトの読み込み速度を計測できる無料ツールです。サイトスピードが遅いと訪問者は離脱しやすくなり、コンバージョン率が下がる傾向にあります。また、リピーター獲得やGoogle検索で上位に表示されるためにも重要な要素でもあります。サイトスピードを改善させるためにも、読み込みが遅くなる原因を突き止め、迅速に対策を実践していきましょう。
料金:無料
22. AMP(アンプ)テスト

AMPとは、Accelerated Mobile Pagesの頭文字を取ったもので、モバイルページ向けに表示を高速化させるための施策です。AMPテストは、自社サイトがモバイルページ表示の高速化をできているか確認するためのツールです。以前はGoogleがAMP対応ページの優遇措置を行っていましたが、現在は行われていないため、AMP化を行っていないサイトもあります。一方で、AMPを導入することで表示スピードが改善される場合には、積極的に導入しユーザーの利便性向上を目指すと良いでしょう。
料金:無料
23. リッチザルトテスト

リッチザルトテストは、ウェブサイトの内容を検索エンジンに理解させやすくする、構造化データが導入されているかを知るための方法です。検索エンジンがコンテンツを認識しやすくなったり、音声検索といった新たな検索システム上でも対応できたりすることから、SEO対策としても有効な手法です。構造化データを導入することで、Googleでの商品検索の際、評価や価格が「注目されている商品」として上部に表示され、購入を促す効果も期待できます。
料金:無料
まとめ
キーワード検索からアクセス解析、ドメインパワーまでSEO対策に活用できる無料ツールは数多く存在します。一方で、より効率的にSEO対策を行いたい場合や、膨大なデータを取得・分析したい場合には有料サービスの利用も検討する必要があるでしょう。
今回ご紹介したツールの他に、ShopifyのSEO対策の記事も参考にしながら、自社サイトへのトラフィックを増やし、認知度向上や売上アップを目指してみてはいかがですか。
無料SEOツールに関するよくある質問
SEO対策は無料で行える?
無料でSEO対策を行うことは可能ですが、専門知識が必要になります。また、無料SEOツールのみを使用すると、有料ツールを使った場合に比べて分析や戦略策定に時間がかかる可能性もあります。SEO対策を通して実現したい目標を明確にし、必要に応じて有料ツールの活用や専門家に依頼することを検討するとよいでしょう。
無料のキーワードツールにはどんなものがある?
無料のキーワードツールは、主に以下のものがあります。
- Googleキーワードプランナー
- Googleトレンド
- ラッコキーワード
- ruri-co(ルリコ)
- Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
無料SEOツールで有料と同じ結果が得られる?
無料SEOツールでも有料ツールと類似した結果が得られる場合があります。比較的小さなサイトの場合には無料SEOツールで十分な場合もありますが、大規模なサイトやECサイトを運営する場合、包括的な分析や解析といったさまざまな機能が利用できる有料ツールの活用も検討しましょう。
文:Masumi Murakami





