Shopify(ショッピファイ)を活用すれば、専門知識がなくても自社ネットショップを構築できます。ショップのデザインや機能をカスタマイズできるため、独自のブランディングも可能です。
さらに、店舗の露出拡大やリピーターの獲得を狙う場合におすすめなのが、Shopifyが提供するShop(ショップ)アプリの活用です。Shopアプリでは、Shopifyで構築された世界中のネットショップの商品を、ECモールのようにユーザーが横断的に検索・購入できるようになっています。ここでは、Shopアプリの概要とその機能、利用するメリットなどを紹介します。
Shopアプリとは

Shopアプリとは、Shopifyで構築された世界中のサイトを横断して、販売されている商品の検索や購入、配送状況の追跡まで行えるアプリです。iOSデバイス、Androidデバイス、ブラウザを通じて無料で使えるため、利便性の高い購入体験を提供します。
ストア側では、基本的な設定を行うだけで商品が自動的にShopアプリへ掲載されるようになり、販売チャネルを広げ、購入機会を増やすことができます。
Shopアプリの主な機能

Shopifyで構築されたサイトの検索
ユーザーはShopアプリを通じて、Shopifyで構築された多数のネットショップ商品を、ウェブサイト間の移動をすることなくキーワードなどで検索することができます。また、ネットショップのカテゴリーやおすすめのコレクション、バレンタインなどのイベントに応じた特集なども用意されています。
加えて、AIによる買い物アシスタント機能も備わっています。たとえば「冬におすすめのアウターは?」と聞くと、スタイルやデザイン、色の好みなどを確認され、それに答えていくとユーザーに最適な商品が提案される仕組みです。商品を探す手間を減らせるため、ユーザーにとって便利な機能といえます。
コレクションの作成と共有
Shopアプリでは、ユーザーが気に入った商品をまとめてコレクションとして保存できます。作ったコレクションはそのままほかのユーザーと共有できるので、仕事で使う備品をチームでまとめたり、欲しいものを家族と共有するといった使い方もできます。
Shop Payでの商品購入
Shop Pay(ショップペイ)は、購入手続きをスピーディにする決済サービスです。ユーザーは、あらかじめShop Payにクレジットカード情報や配送先住所などを保存しておけば、異なるストアでも改めてこれらの情報を入力する必要がなくなります。さまざまな通貨での決済にも対応しているほか、PCIコンプライアンス基準を満たしており安全面の信頼性も特徴です。
荷物の追跡
Shopifyストアで購入した商品は、Shopアプリから配送状況をリアルタイムで確認できます。購入後の注文情報は、Shopifyストアから自動的に同期されるため、基本的にユーザーが手動で入力する必要はありません。さらに、Gmail(ジーメール)やOutlook(アウトルック)などのメールアカウントをアプリに接続すれば、配送業者からのメールを自動で読み取り、追跡番号を抽出してShopifyストア以外での注文もアプリ上にまとめて表示できます。
商品のレコメンド
ユーザーがアプリ内でフォローしているブランドや商品、過去の購入履歴や閲覧履歴に基づいて、パーソナライズされたおすすめの商品や購入履歴のある店舗の新商品などが表示されます。
最寄店舗の自動表示
住所を登録しているユーザーには、Shopアプリ上で近くの店舗が自動的に表示されます。商品を国ごとに絞り込むこともできるため、日本のブランドを中心に探すことも可能です。キーワードによる検索を行えるExploreタブでも、近隣エリアのブランドが優先的に表示される仕様になっています。
Shopアプリをストアが利用するメリット

顧客満足度の向上
Shopアプリでは検索と決済、配送追跡、レコメンドなどの機能が1つのアプリに備わっています。ユーザーは複数のアプリを行き来することなく、ショッピングを快適に楽しめるため、顧客満足度が向上します。
カゴ落ち防止
Shop Payのスムーズな決済方法により、ユーザーが商品をショッピングカートに入れたまま離脱してしまう、カゴ落ちの防止が期待できます。
新規顧客の獲得
Shopアプリに自社ネットショップを掲載することで、さまざまな人にブランドや商品の存在を知らせることができます。関連するブランドや商品を調べたユーザーにレコメンド機能などを通じてアプローチできるため、新規顧客の流入を期待できるようになります。
海外市場の開拓
Shopifyのサービスは世界175か国で展開されており、Shopアプリも多くの海外ユーザーが利用しています。海外発送に対応することで、国内向けサイトの延長で越境ECを始められます。
リピーターの獲得
レコメンド機能やAI買い物アシスタントによる商品の自動表示、配送状況が見られる利便性、Shop Payのスムーズな決済によって、リピーターの獲得にもつながります。Shopアプリでは、ユーザーがブランドをフォローしたり商品を保存したりしておくと、保存した商品の再入荷やセール情報などのお知らせが届くようになり、再訪の機会を増やすことができます。
問い合わせの減少
Shopアプリ上で商品の配送状況が可視化されるため、「配送が遅れている」「商品がまだ届かない」といった配送に関する問い合わせの減少が期待できます。ネットショップのカスタマーサポートの負担軽減にもつながります。
初期費用や月額利用料が不要
決済サービスのなかには、初期費用や月額利用料がかかるものもありますが、Shop Payはそれらに加えて取引手数料もかかりません。Shopifyの契約プランに定められた、2.9~3.9%の決済手数料のみで導入することができます。
Shopアプリにストアの商品を表示するための要件

Shopifyで構築したネットショップを運営している場合、以下の要件を満たすことでShopアプリに商品を表示することができます。
- Shopifyの利用規約に準拠している
- ShopifyでStarter(スターター)プラン以上のプランを契約している
- ストアでShopifyペイメントとShop Payを有効にしている
- ストアの過去6か月間のチャージバック率が1%未満である
- 販売している商品のうち少なくとも1つが、Shopの商品の資格要件を満たしている
- ストアの閲覧が制限されていない
なお、Shopで要件を満たすためにストアに変更を加えた場合、情報が更新されるまで最大48時間かかります。
Shopアプリに自分のストアを表示する方法

Shopアプリに自分のストアを表示する方法は、デスクトップとモバイルでやや異なります。手順は下記のとおりです。
デスクトップの場合:
- Shopfyの管理画面の [設定]>[アプリと販売チャネル]をクリックする
- Shopify App Storeから[Shop]を検索する
- [Shop]>[インストール]をクリックする
モバイルの場合:
- Shopifyアプリの[三]アイコンをタップ
- [+]>[販売チャネル]をタップ
- [販売チャネルを追加]で[Shop]>[アプリを追加]をタップ
Shopアプリにストアを追加するための要件を満たしている場合は、上の手順でShopアプリにストアを追加できます。追加されると、Shopアプリの[検索]タブから商品を検索できるようになります。
まとめ
Shopアプリは、Shopifyで構築されたストアの商品をECモールのように表示し、ユーザーが簡単に検索・購入できる便利なアプリです。Shop Payのスムーズな決済、リアルタイムでの荷物追跡、パーソナライズされた商品のおすすめなどにより、ショッピングにおけるユーザーの利便性を高めてくれます。また、販売者にとっても新規顧客の獲得やリピーターの増加、問い合わせの減少といった多くのメリットがあります。
Shopifyで運営しているストアをShopアプリに登録して、より多くのユーザーにリーチし、売り上げアップを目指しましょう。
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Shopアプリに関するよくある質問
Shopアプリを日本語にするには?
2025年12月現在、Shopアプリの対応言語はスペイン語、フランス語、英語などの15言語となっており、日本語には変更できません。日本語対応が始まれば、デバイスの設定からShopアプリの言語を切り替えることで、日本語で利用できるようになります。
Shopアプリの使い方は?
Shopアプリでは、Shopifyで構築されたストアの商品を検索したり、AIアシスタントに相談しながら欲しい商品を探したりできます。気に入った商品はコレクションとして保存・共有でき、購入はShop Payでスムーズに完了します。配送状況もアプリ内で確認できるため、商品の発見から注文、追跡までを1つのアプリで完結できます。
ShopアプリでShopifyストア以外の商品を追跡するやり方は?
- GmailまたはOutlookをShopアプリに接続する
- 追跡メールを自動スキャンして注文を表示する
- 自動で反映されない場合は追跡番号を手動で入力する
上記の手順で、Shopアプリで有効な追跡番号がある注文を追跡できるようになります。なお、メール連携を使わない場合は追跡メールをShop指定のメールアドレスへ転送することもできます。
Shopアプリを解約する方法は?
- Shopアプリの[ホーム]タブで、アカウントアイコンをタップ
- 設定入力済みの[設定]>[データとプライバシー]をタップ
- [アカウントを削除]をタップ
- 「本当にアカウントを削除しますか?>[アカウントを削除]をタップ
文:Yukihiro Kawata





