企業やブランドが、ウェブサイトやECサイト、SNSアカウントなど複数のURLを運用していることは珍しくありません。複数のURLを一つのリンクにまとめられるサービス「Link in bio(リンクインバイオ)」を使えば外部サイトへの誘導がスムーズになり、認知度拡大や売上アップにもつながります。
この記事では、Link in bioをSNSのプロフィールなどで活用する方法をご紹介します。作り方から便利なサービスまでわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
Link in bio(リンクインバイオ)とは

Link in bio(リンクインバイオ)とは、複数のリンクを1ページにまとめて、SNSのプロフィール欄などに記載しやすくするサービスのことです。bioはbiographyの略で、Link in bioという言葉は「プロフィール内リンク」という意味を持ちます。
Link in bioを使えば、ウェブサイトやECサイトだけでなく、Facebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)、TikTok(ティックトック)などのURLをひとつのページにまとめて掲載できます。訪問者を自社サービスや商品のページ、ブランドアカウントへ一括で誘導ができる仕組みです。
Link in bio(リンクインバイオ)の特徴

複数あるリンクをひとつにまとめられる
Link in bioの最大の特徴は、複数あるリンクをひとつのURLにまとめられる点です。近年、ブランドや企業はウェブサイトだけでなくECサイトや複数のSNSアカウントを管理するケースが増えました。一方で、InstagramやTikTokはリンクを貼れる場所や数が限られており、複数のリンクをアピールしにくい仕様となっています。
そこで、Link in bioをSNSアカウントのプロフィール欄に貼り付けることで、一つのリンクURLでさまざまなアカウントやコンテンツにユーザーを誘導できます。ユーザーにとっても目的のコンテンツを選びやすくなり、利便性を高めることができます。
例えばInstagramでは基本的に外部リンクを投稿することはできませんが、インスタビジネスアカウントを使っている場合は、プロフィールに連絡先オプションを追加でき、Link in bioを活用することでユーザーが問い合わせを行いやすい環境が整います。
カスタマイズできる
Link in bioのページは、一般にブランディングに合ったデザインにカスタマイズできます。Link in bioを作る際に利用するサービスによっても異なりますが、背景画像や色、フォント、フォントの色、ボタンの形状などをブランドガイドラインに合ったものや、それに近いものを選べるのが一般的です。
また、キャンペーン情報や限定割引、新商品のリンクなど期間限定の情報がユーザーの目に留まりやすいように、随時編集するといった施策が可能です。ランディングページ(LP)のように、商品の購入やサービス登録を促したり、無料トライアルを提案することもできるでしょう。
分析機能を使える
Link in bioはただリンクを集約するだけでなく、分析機能を使うことで誰がリンクをクリックしたか、どこに貼り付けたLink in bioからアクセスがあったかといった情報を取得できます。アクセスが多い時間帯や各リンクのクリック数など詳細なデータを分析することで、その後のマーケティング戦略の立案にも役立ちます。
Link in bioの分析機能は、無料で備わっているものもありますが、最低限のデータのみ取得できる場合が一般的です。より詳細な情報やデータを集めたい場合には、有料版を利用すると良いでしょう。また、Google analytics(グーグルアナリティクス)のような外部サービスと連携させて分析機能を使う方法もあります。
Link in bio(リンクインバイオ)の作り方

Link in bioを作るには、主に専用の作成ツールを使う方法と、ウェブサイトにリンクをまとめたページを作成する方法の2種類があります。
Link in bio作成サービスを使う
Link in bio作成サービスとは、複数のURLをまとめたページをウェブ上で簡単に作れるサービスのことです。スマホからでも作れたり、アカウント作成だけで無料で作れるサービスも多く、誰でも手軽に利用できます。
一般的なLink in bioの作成手順は以下の通りです。
- アカウントを作成するかログインする
- テンプレートを選ぶ
- 背景画像や背景色、トップ画像、フォント、ボタンの形状などを選ぶ
- リンクを入力する
ウェブサイトを使う
自社ウェブサイトやECサイトを活用してLink in bioを作ることもできます。Link in bio用のページを用意し、載せたい情報やURLを1ページにまとめましょう。サイトを活用するメリットは以下の通りです。
- 自社のドメイン名を使えるためユーザーは安心してクリックしやすい
- デザインの自由度が高い
- ECサイトの場合は直接販売ができる
- Google analyticsなどの外部サービスとサイトが連携している場合は、新たな連携手続きが不要である
Link in bioページができ上がったら、そのリンクをSNSのプロフィール欄などに貼り付けて使用してください。
Link in bio(リンクインバイオ)を作れる主なサービス
lit.link(リットリンク)

lit.link(リットリンク)は、登録ユーザー300万人のLink in bioサービスです。SNSでlit.linkのURLを目にする機会も多いことから、ユーザーが安心してクリックしやすいLink in bioと言えるでしょう。
スマホだけで簡単にリンクが作れるだけでなく、使用したいブロックを追加するだけでSNSやウェブサイトのリンクを追加でき、直感的にデザインできるという特徴があります。背景のテンプレートも豊富で、有料プランを利用するとより高度なカスタマイズが可能となります。
Instabio(インスタバイオ)
Instabio(インスタバイオ)は、シンプルなUIを採用しており、初めてLink in bioを作る人も直感的にURLを作成できるサービスです。あらかじめ用意されたテンプレートが豊富にあり、その中から自分のブランドや商品に合ったデザインのものを選んでURLを入力していきます。
有料プランでは、複数のLink in bioページや入力フォームを作れたり、インサイト機能を利用できたりします。TikTok Shop(ティックトックショップ)を統合することもできるため、商品の売上アップを狙う事業者にもおすすめです。
VLINK(ブイリンク)
VLINK(ブイリンク)は、無料で使えるツールながら、リンクだけでなく画像も組み合わせてブランドや企業の世界観を表現しやすいことが特徴です。スマホだけでリンクを生成でき、LINE(ライン)またはメールアドレスを使った無料登録が可能です。
Link in bioページにはリンクだけでなく、SNSの投稿をピックアップして並べられるため、おすすめ情報や新商品などの特集ページとして活用することもできます。
Canva(キャンバ)
Canva(キャンバ)は、初心者でも簡単に画像やチラシ、サイトなどのデザインができるツールで、Link in bio用のテンプレートも豊富に用意されているツールです。無料版でも数多くのテンプレートが使えて、画像やテキスト、色などを簡単にカスタマイズできます。
Pont(ポント)
Pont(ポント)は、初期費用や月額費用が無料のLink in bio作成サービスです。決済手数料7%でグッズの販売や仕事の依頼受付、デジタル製品販売も始められます。顧客管理機能も備わっているほか、サポート体制も充実していることから、初めての人も安心して始められます。
実際にPontで作成されたページの事例がカテゴリーごとに紹介されており、デザインを参考にしながらページを作成できます。
Linkfire(リンクファイア)
Linkfire(リンクファイア、英語)は音楽特化型のLink in bioツールです。過去の配信曲や最新のプレイリスト、チケットなど音楽関連アーティストが使いやすい機能が搭載されています。
Linkfireを使えば、今までに配信した楽曲を配信ごとやプレイリストごとにまとめることができます。無料版だと広告が表示されてしまうため、気になる方は有料版の利用を検討しましょう。現在、サービスは英語のみで提供されていますが、一部のヘルプページは日本語のものもあります。
Link in bio(リンクインバイオ)の活用方法

ECサイトへ誘導する
Link in bioのトップ部分やバナー画像部分など目立つ位置にECサイトへのリンクを貼りつけることで、ネットショップへの動線を作り商品をアピールすることができます。SNSアカウントで気になる商品を見つけた消費者は、スムーズに商品の詳細までたどり着きたいと感じます。欲しい情報までの動線の円滑化だけでなく、ワンクリック購入ができたりすることで、より良い顧客体験を提供できることになるでしょう。
新商品やイベント、キャンペーンを告知する
Link in bioのデザインや掲載しているURLは随時変更できるため、季節の需要に合わせてページ冒頭に掲載する商品を変更することも有効です。普段はLink in bioにSNSアカウントや公式サイト、ECサイトのリンクを貼りつけている場合でも、新商品発売時やイベント、キャンペーン開催時にはトップ部分にそれらの告知ページへのリンクやリンクバナーを貼ることができます。例えばBFCM(ブラックフライデー・サイバーマンデー)のセール情報を掲載したり、年末商戦の限定割引を告知したりすることができるでしょう。
ブランドストーリーや舞台裏を公開する
ブランドや企業にまつわる歴史や価値観を表現するブランドストーリーは、顧客との信頼関係を築いたり、差別化を図ったりする際にも役立ちます。多くのユーザーが通過するLink in bioにストーリーテリングを意識して作成したコンテンツを掲載しておけば、何を目指すブランドであるか、どのような信念を持っているかをアピールすることができます。
さらに、実際に商品を開発する様子や働いている人の様子を舞台裏として公開することで、顧客に親近感を持ってもらえる可能性があります。
デジタル名刺として使う
Link in bioをメールや資料に掲載することで、デジタル名刺として活用することも可能です。公式サイトのURLだけでなく、ロゴや短い自己紹介文、プロフィール写真などの情報をまとめておきましょう。URLをメールの署名部分に貼り付けることで、取引先や商談相手へ自社の魅力を伝えやすくなるでしょう。物理的な名刺や資料にLink in bioのQRコードを貼り付けてアピールすることもできます。
まとめ
Link in bio(リンクインバイオ)は、自身が運営する複数のURLをまとめて、インスタプロフィールなどSNSのプロフィール欄に貼り付けやすくしたリンクページのことです。ウェブサイトやECサイト、SNSアカウントなどの情報を一元化できるため、訪問者は目的のページやコンテンツを選んですぐにアクセスできるようになります。
Link in bioは、作成サービスまたは自社ウェブサイトを使って簡単に作ることができます。作成サービスは無料で使用できるものも多く、リンクだけでなく背景画像や色、デザイン、フォントなどを選べる場合もあります。また、有料サービスを利用することでより高度なデザインのカスタマイズができたり、分析機能を活用できたりするようになります。自社サイトを使ってLink in bioを作る場合は、ブランドイメージに合わせてカスタマイズができるため、世界観をより表現しやすいでしょう。
Link in bioはECサイトへの誘導やイベント告知、ブランドストーリーの公開などに活用することができます。メールの署名部分や紙媒体に貼り付けてデジタル名刺として利用することも可能です。今回の記事を参考にLink in bioを作り、商品やブランド認知度向上に役立ててみてください。
Link in bio(リンクインバイオ)に関するよくある質問
Link in bio(リンクインバイオ)はどういう意味?
Link in bio(リンクインバイオ)は、日本語で「プロフィール内リンク」という意味です。複数のリンクを1ページにまとめて、SNSのプロフィール欄に貼り付けられるようにした短いURLのことを指します。
Link in bio(リンクインバイオ)が作れる無料サービスは?
- lit.link(リットリンク)
- Instabio(インスタバイオ)
- VLINK(ブイリンク)
- Canva(キャンバ)
- Linkfire(リンクファイア)
Link in bio(リンクインバイオ)の活用方法は?
- ECサイトへ誘導する
- 新商品やイベント、キャンペーンを告知する
- ブランドストーリーを公開する
- デジタル名刺として使う
Link in bio(リンクインバイオ)はどこに掲載されている?
Link in bio(リンクインバイオ)は通常、SNSのプロフィール欄に貼り付けられています。
Link in bio(リンクインバイオ)の使い方は?
まず、作成サービスや自社ウェブサイトなどからLink in bioを作ります。作成サービスは感覚的に使用しやすいUIを採用していることが多く、初めてでも簡単にLink in bioを作成できます。自社ウェブサイトを使う場合は、ブランドイメージに合った専用ページを用意し、自社サイトやSNSアカウントのURLをまとめましょう。でき上がったURLをSNSのプロフィール欄に貼り付けて使用します。
文:Masumi Murakami





