副業は収入を補うだけでなく、起業に向けた準備の場としても活用できます。また、「働き方改革」の一環として、企業が副業・兼業を原則的に許可するよう政府の指針も変更されており、社会的にも副業・兼業が奨励される流れがあります。
サイドビジネスを成功させるためには、本業との両立のしやすさや自分のスキルアップにつながるかどうか、楽しみながら取り組めるかどうかも大切なポイントになります。まずは気軽に始められるスキマ時間の副業から挑戦し、自分に合ったスタイルを探してみましょう。
この記事では、スキマ時間を使って稼げる副業アイデアを紹介します。ぜひ参考にしてください。
スキマ時間にできる副業アイデア

1. フリマアプリでの中古品販売
メルカリのようなフリマアプリやオークションサイト、ECサイトを利用した中古品販売は、スキマ時間に始めやすい副業のひとつです。
自宅にある不要品を出品するだけなので、初期費用や特別なスキルは必要ありません。CDや本、古着、食器など、どの家庭にもあるアイテムでも十分に価値がつくことがあります。国内で買い手が見つからなくても、eBay(イーベイ)のような越境ECを利用すれば、海外で思わぬ人気を集める可能性もあります。
写真を撮って出品するだけなら数分で完了でき、通勤途中や家事の合間といった短い時間を活用できます。気が向いたときに少しずつ進められるため、スキマ時間を有効に使いたい人にぴったりの方法です。
2. ハンドメイド商品販売
趣味や特技を活かし、ハンドメイド製品を販売するのもスキマ時間にできる副業アイデアとして人気です。アクセサリーや編み物、キャンドル、アクリルスタンドなど、日常生活の合間に少しずつ制作できるものも多く、お金になる趣味として楽しみながら収入を得られます。
ハンドメイド販売が副業やスキマ時間に向いているのは、まとまった時間がなくても「今日は材料を揃えるだけ」「通勤中にデザインを考える」といった小さな作業を積み重ねていける点です。制作の過程自体が楽しく、完成した作品が他人に使ってもらえたり感想をもらえたりすると、大きな達成感にもつながります。
販売方法も幅広く、ハンドメイド販売サイトに出品すれば手軽に多くの人にリーチできます。自分の世界観を大切にしたいなら、専用のウェブサイトを立ち上げてブランドとして展開することも可能です。
3. プリントオンデマンド
プリントオンデマンドは、Tシャツやトートバッグ、マグカップなどにオリジナルデザインをプリントして販売するビジネスモデルです。
絵を描くことやデザインが好きな人にとっては、趣味で起業することができるビジネスで、商品は注文が入ってからサプライヤーが製造・発送するため、フルフィルメント業務に時間を割く必要がありません。短時間の作業を積み重ねるだけで成果につながりやすく、スキマ時間で取り組むのに向いています。在庫を抱えるリスクや初期投資もほとんどありません。
4. ドロップシッピング
ドロップシッピングとは、オンラインストアなどで商品が売れた際に、メーカーや卸売業者(サプライヤー)が購入者へ直接発送してくれる仕組みです。運営者は在庫を仕入れたり保管したりする必要がなく、梱包や発送作業も不要なため、スキマ時間に在宅でできるビジネスとしても適しています。
さらに、ドロップシッピングは「自動化」と相性が良い点も魅力です。あらかじめECシステムを構築しておけば、注文が入った時点で受注から発注まで自動的に処理されるため、常に画面に張り付いている必要はありません。ちょっとした空き時間に商品ページを改善したり、SNSで集客したりするだけでよく、スキマ時間を効率的に活用できます。
取り扱う商品も幅広く、アパレル製品や雑貨、家具や日用品など、多様なカテゴリーから選べます。自分の興味や得意分野に合った商品を扱えば、ストアの魅力も高まり、継続的な収益化につながりやすくなります。
5. デジタルコンテンツ販売
デジタルコンテンツ販売は、物理的な在庫や発送作業が不要で、一度作成すれば追加の時間をかけずに繰り返し収益を生む可能性があり、スキマ時間を使った副業として注目を集めています。
初期投資もほとんど必要なく、個人でもすぐに始められるのが魅力です。音楽や動画、電子書籍、写真、イラストなど、データの形で提供できるものならすべてが商品になります。
自分の得意分野や感性をそのまま作品に反映できる点も魅力的です。作った音楽が誰かのプレイリストに入ったり、撮影した写真がダウンロードされたりと、表現者としての喜びを感じられるのは大きなやりがいになります。
6. アフィリエイト
アフィリエイトは、商品やサービスを紹介し、その成果に応じて報酬を得る「成功報酬型広告」の仕組みです。企業が提供するリンクをブログなどに掲載し、そのリンクを通じて商品が購入されたりサービス登録が行われたりすると、売上の一部や固定額が報酬として支払われます。
「記事を1本書く」「SNSに投稿する」といった単発作業を少しずつ積み重ねられるため、スキマ時間を有効に活用でき、ブログ収益化やインスタ副業につなげることができます。初心者でもパソコンやスマートフォンがあれば始められるため、参入ハードルが非常に低いのも魅力です。
7. ポイ活
ポイ活とは、ポイントサイト経由の買い物や口座開設、アプリ登録、レシート投稿などでポイントや現金化可能な報酬を得る方法です。
初期費用ゼロで始めやすく、1件にかかる時間は数分から10分程度なので、移動や待ち時間などのスキマ時間を有効に使えます。
広告視聴・ミニゲームなど種類も豊富ですが、クレジットカード発行案件は自身の信用情報に留意するなどの注意点もあります。ポイント管理できるスマホアプリなどもあるので、ポイ活の規模が大きくなってきたら活用してみるのもよいでしょう。
8. アンケート回答・レポート調査
市場調査会社やアプリのアンケートに回答し、体験レビューや短いレポートを提出して報酬を得る仕事です。
食品・日用品・サービスなど身近なテーマが中心で、所要時間は数分から20分程度です。朝夕の通勤、昼休み、就寝前のスキマ時間で完結でき、コツコツ続ければ月数千円からの副収入になります。小さなタスクを積み上げる設計で、無理なく継続できます。
9. スマホアプリの動作チェック
新規・既存アプリを実機で試し、操作性や不具合を報告するテスター業務です。画面録画やスクリーンショット提出、簡単な再現手順の記載が主な作業内容です。
たとえば地図アプリチェックでは、検索精度・位置情報・経路表示を検証します。機能検証を10分単位など短時間に小分けして進めることができるため、スキマ時間を使って作業できます。
10. SNS運営サポート
企業SNS(Facebook、Instagram、X等)で投稿作成、簡易画像編集、コメント・DM対応、ハッシュタグ選定、簡単な分析まで支援する仕事です。
ガイドラインに沿うだけなど、未経験でも可能な案件もあります。予約投稿と返信テンプレートを使って効率的に作業することで、通勤や就寝前などのスキマ時間に数タスクずつ処理できます。トレンド感度や文章力を活かして継続受注を狙うこともできます。
11. データ入力/Excel事務
名刺・アンケート・各種帳票の内容をフォームや表計算に入力・整形する在宅業務です。関数やVLOOKUP、簡単なマクロが使えると単価が上がります。
在宅で自分のペースで進められるため、家事や育児の合間にやりやすい仕事です。データ入力案件は比較的多く、簡単に見つけられるのも魅力です。繰り返しの多い作業を根気よく続けられる人に向いています。
12. 文字起こし
取材・講演・会議の音声を聞き取り、整文してテキスト化する仕事です。在宅で自分のペースで作業できるため、スキマ時間を使った副業として安定した人気があります。
倍速再生やフットペダル、ショートカットなどを活用して作業を効率化するのが収益率アップの鍵となります。また、話者識別や表記統一など高品質を保つことに加え、専門知識や他言語の語学力などがあると、高単価の仕事を受注することも可能です。
13. シール貼りなどの内職
封筒やパッケージへのシール貼り、セット組、検品などの軽作業も定番のスキマ時間バイトのひとつです。手順が明快な作業が多いため習熟しやすく、数量に応じて報酬が積み上がるのが特徴です。
在宅で時間に縛られないため、育児や介護の合間などでも家族のそばで作業できるのが魅力です。コツコツと手を動かせば、細切れ時間の積み上げでも確実に成果を出せます。
14. ライティング・編集作業
ブログ記事や商品説明の執筆、書籍改訂、校正・校閲までを含む文章系業務です。専門分野や取材力があると評価と単価が向上します。
設計、本文、推敲、校正などの工程に分解でき、スキマ時間に少しずつ進めることも可能です。評価がよければ継続受注で安定した収入を得やすく、将来本業にすることを目指す場合の足掛かりにもなります。
15. 動画編集・YouTube編集
映像のカットや字幕追加などを行う仕事です。テンプレートやプリセットを使えば効率的に作業できるため、夜間や早朝といったスキマ時間に少しずつ進められます。
高度な編集スキルを身につければ単価も上がります。YouTuberだけでなく動画マーケティングを行う企業などからの需要も多く、継続案件を獲得すれば安定収入につながります。
16. デザイン/DTP校正
チラシやバナーなどの制作物のデザイン修正・校正を行う仕事です。完全在宅で1日2時間程度で作業できる案件も多く、組版や校正などの経験を活かしてスキマ時間を収益化できます。
配色・タイポ・印刷知識が活き、細かな修正指示に迅速対応できると信頼が増します。実際に作成したデザイン画像などの実績を公開できると受注の幅と単価が広がります。
17. ウェブサイト制作・ウェブデザイナー
コーポレートサイトやランディングページの設計、デザイン、実装、CMS運用を請け負う仕事です。HTMLやCSS等の知識を活かし、在宅でスキマ時間を使って作業することができます。
ページやセクション単位で作業を切り分けて複数のメンバーでコラボレーションする場合もあり、作業ボリュームもさまざまなため、自分が使える時間に合った案件を探すこともできます。需要が安定しているだけでなく、保守契約で継続して収入を得やすいため、在宅副業に向いています。
18. カスタマーサポート
メールやチャット、電話での問い合わせ対応を行います。1日2時間程度の案件も多く、マニュアルが完備されているケースがほとんどなため、未経験者でも本業や家庭の予定に合わせて挑戦しやすい業務です。
19. フードデリバリー
注文された料理を自転車やバイクを使って個人宅などへ配達する仕事です。デリバリーサービスのアプリを通じて配達員登録・仕事の受注を行うケースが多く、登録審査もオンラインで完結することが多いため比較的手軽に始められます。1回あたりの作業時間も数十分から数時間程度と短いため、スキマ時間に行うのに適した業務です。
20. イベント・試験運営サポート
イベント運営補助、試験監督、塾用紙配布など現場での進行・案内・監督を担う仕事です。作業手順がマニュアル化されていることが多く、未経験でも参加しやすくなっています。週末や短期単発の募集が中心で、本業の休みである土日にできる副業として人気です。
21. 物流系軽作業
配送補助、社内メール便の仕分け、倉庫でのピッキング、梱包・開封などの仕事です。体を動かす単純作業で習熟しやすく、短時間や夜勤のシフト選択ができるためスキマ時間を有効に使えます。
日払い・週払い案件もあるため、急な出費の穴埋めにも向いています。繁忙期は募集が増えるほか、所要時間があらかじめわかるため予定に組み込みやすい仕事です。
22. 販売・接客サポート
スーパーやドラッグストアのレジや品出し、居酒屋、カフェなど飲食店の接客など店頭支援の仕事です。ピーク時間帯のみの募集が多く、ランチタイムや夕方の2・3時間、週末だけの勤務も可能です。
接客経験があれば即戦力になりますが、未経験でも研修があるため安心です。近所で求人を見つけやすく、通勤時間も短い傾向にあるため時間を有効に使えます。
23. マンション・ビル管理
受付・入館対応、荷物預かり、館内巡回・清掃、簡易監視などを行う仕事です。落ち着いた対応が求められ、シニア層にも人気です。
1日2時間程度の勤務や日直・夜勤など勤務形態が選べ、生活リズムに合わせやすいのが特徴です。需要が安定しており、初心者でも始めやすい業務です。
スキマ時間の副業で気を付けたいこと

本業の勤め先が副業OKか確認する
副業を始める前に必ず本業の就業規則を確認しましょう。本業に差し支えるとして副業を原則禁止している企業もあれば、許可制にしている場合もあります。申請が必要なのに黙って副業をすると、トラブルの原因になりかねません。安心して取り組むためにも、会社の方針を把握し、必要に応じて人事や上司に確認することが大切です。
悪質な案件を見極める
「誰でもすぐ稼げる」「高額報酬を保証」といった言葉に安易に飛びつくのは危険です。単価が極端に安い案件や、反対に不自然に高額な案件には注意が必要です。発注者や運営会社の信頼性を事前に調べ、口コミや契約条件を確認することがトラブル回避につながります。特に個人情報や前払い金を要求する案件には警戒してください。
税務申告を適切に行う
副業で年間20万円を超える所得がある場合は確定申告が必要です。20万円に満たなくても源泉徴収されていれば、申告することで税金の一部が還付されるケースもあります。
また、住民税の申告は必須で、売上規模によっては消費税の申告も必要になることがあります。後々のトラブルを避けるために、税務のルールを理解し、早めに準備しておきましょう。
本業に支障をきたさないようにする
スキマ時間の副業は本業あってこそ続けられるものです。本業の勤務時間中に副業を行うことは避け、本業に支障をきたさない範囲で取り組むことが大切です。睡眠時間を削って無理をすると体調を崩し、結果的にどちらにも悪影響が出てしまいます。無理のない計画を立て、生活リズムに合った副業を選びましょう。
副業の目的を明確にする
副業は継続してこそ成果につながります。そのため、取り組む目的を明確にしておくことが大切です。「月○万円の収入を目指す」「将来につながるスキルを得る」といったゴールがあれば、途中でモチベーションを失いにくくなります。無理のない範囲で始め、小さな成果を積み重ねながら長く続けられるようにしましょう。
まとめ
スキマ時間でできる副業を選ぶときは、収益性や作業時間のほか、自分にとってのやりがいやリスクの大きさも踏まえて、総合的に判断することが大切です。
実際に募集されている案件は、インターネット検索や専用アプリで簡単に調べられます。また、アルバイト検索アプリや求人サイト、フリーランス向けサービスを利用すれば、今どんな副業に需要があるかも確認できます。
副業は収入面だけでなく、新しいスキルを磨いたり、将来のキャリアにつなげたりするきっかけにもなります。スキマ時間を活かして、自分に合った副業を始めてみましょう。
よくある質問
隙間時間にできる副業にはどのようなものがある?
隙間時間にできる副業には、身近にある不要品の販売やプリントオンデマンドといったEコマース、ポイ活やアンケートなどスマホだけでできる仕事、在宅で完結するデータ入力や文字起こし、休日に参加できる試験監督やイベント運営サポートなどがあります。
隙間時間のバイトで気を付けることは?
隙間時間にできるバイトを探す際に気を付けることは、悪質な案件でないかどうかを見極めることです。また、本業がある場合は副業が認められているかどうかもしっかりと確認するようにしましょう。
隙間時間に稼ぐコツは?
隙間時間に稼ぐコツは、初期費用をほとんど必要としないビジネスを始めて継続することです。たとえば、在庫を持たないドロップシッピング、広告収入を得るアフィリエイト、データ入力や文字起こしなどはスマホやパソコンなどがあれば簡単に始められます。小さく始めて長く続けるのが、リスクを抑えて稼ぐコツです。
文:Norio Aoki





